有楽町西武閉店で考える都市美
年内で有楽町西武が閉店になるニュースが話題を呼んでいる。テレビには、有楽町の光景が映し出され、わたしは、大昔に東京に出てきたころの銀座や有楽町の風景を思い出した。
現在、阪急百貨店と西武百貨店が入っているあたりを数寄屋橋交差点から見たときのことを鮮明に覚えている。
当時は、日劇の建物が残っていて、となりには朝日新聞社の社屋も残っていた。両方とも美しい建物だから観賞に耐えられる。ただ、日劇の壁面は看板と垂れ幕が多すぎた。また、近くの高速道路だけはいただけなかった。
美しい建物を破壊し、そのあとに機能性だけを高めた超高層ビルを建設することに、だいぶ前から反対していた。カネの力と合理性だけを推進し、際限のない発展を象徴するのが超高層ビルだと思っているからである。
いっそのこと、原則として超高層ビル建設を禁止したほうがいい。タワーマンションなどもってのほかだ。
ついでに、丸の内、有楽町、銀座、大手町、霞が関一体を、昔のように約32メートルの高さに統一し、丸ビル、新丸ビル、日本郵船ビル、三信ビル(取り壊されようとしている)、交詢社ビルなどを復活させたらどうか。
さらに言えば、高速道路がないほうがいい。東京オリンピック前に、江戸時代からつづく運河や川を埋め立てて建設したのが、東京の主要な高速道路である。昔ながらの運河を復活させて並木でも植え、両側に32メートル以内に制限された建物がつづく東京は、さぞかし美しいだろう。
もちろん、まったくの夢だ。しかし、美しい大自然、癒される人間の手が加えられた小自然、おしゃれな都市美。この三つが重なると、社会も、国も、人も変わりそうな気がする。
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