メディアの上士と下士 政権交代を
殻変動◇静かな地殻変動
2009年8月30日の総選挙で政権交代が実現しましたが、1981年にフランスで政権交代(社共連合政権樹立)したときのようなインパクトはありません。自民党と民主党は思想や支持基盤に明確な差がないからです。この衝撃力のなさは小選挙区制に由来するところが大きいですが、ここでは触れません。
自民・民主に大きな差はないとはいっても、日比谷公園派遣村村長の湯浅誠氏が内閣府の参与になったり、取り調べの可視化法案が前進したり、自衛隊に軍事オンブズマンを採用する話が持ち上がるなど、自民党政権時代には考えられない事態も起きている。
永田町、霞が関、大手町などいたるところで、静かで地味だが確実に変革の動きはあります。そのなかで最も動きがにぶく保守的なのが、メディア=大マスコミではないでしょうか。というよりも、世の中から取り残されている。
◇超保守的な上士=大マスコミ
話はずれますが、NHK大河ドラマ『龍馬伝』第一回を観たら、テーマは「上士と下士」でした。上士の横暴と下士の悲惨が、極端に強調されていました。
長編ドラマの第一回は、最終回までに流れるテーマの方向づけと主要登場人物の人物造形などを明確化させる必要がある。つまり「これからこういうドラマが始まるよ」と視聴者に強いメッセージを送るために、極端な表現になったのだと思います。
また、下士がチェチェン人やパレスチナ人状態にされていた土佐の特殊事情も考慮する必要もありますが、これは別の機会に書くことにします。
話を戻してなぜ大河ドラマかと言えば、第一回放映日の数日後、霞が関の記者クラブで、上士による下士いじめが発覚したからです。この件は、いずれ講演会もしくは原稿で発表する可能性があります。
上士とは、大新聞・テレビなどの正社員のこと。下士とは、テレビの下請けプロダクション・弱小出版社編集者・フリーランス。フリーランスでも有名で金持ちの人は、上士に属するでしょう。
政権交代で、国会議員が変わり、それにともなって官僚にも衝撃が多少は走りました。そして、政策が変わりますから、経済界も先を見通そうと模索しています。唯一変わらないのがメディア。恐るべき保守主義です。これは、政治的に右翼とか左翼とかいう意味での保守ではありません。
◇ギロチンか切腹か
メディア内で政権交代していないからです。マスコミ社員もそうだし、コメンテーター、学者、専門家、評論家などの政権交代もまだ起きていない。世の中が変わっても旧体制(アンシャン・レジーム)が温存されているわけだ。
旧体制を引き継ぐ彼らは、これまで何をやってきたか。大昔のことはさておいて最近のことだけを見ても、コイズミ一派をほめそやし、増長させ、自衛隊の海外派兵を推進させ、アメリカの侵略戦争支持、北朝鮮バッシングで軍拡と排外主義を増長させ、民営化推進、それに反対する平等主義・平和主義・社会福祉・公共性優先主義・社会民主主義的な発想を小馬鹿にしてきました。自民党権力に媚を売って人民に敵対してもいました。
世が世ならば、コンコルド広場で旧体制追随者が大量にギロチンにかけられるか、恥と責任を少しでも認識するならば、切腹していなければなりません。
でも、そんなことは無理だし、返って世の中が悪くなるかもしれない。それよりも私たちが独自の言論界を打ち立てたほうがいいと思います。大手マスコミの言論を第一言論とするなら、そうではない視点を持つ私たちの行動を第二言論と定義します。
そして、第二言論の結集とメディア界の政権交代を訴えて、集会を開催することになりました。ただし、今まで野党だった第二言論が政権交代して第一言論になるなどという意味とは違います。
それでは同じことの繰り返し。そうではなくて、多様な視点と思想の尊重、小規模メディアの乱立、個人言論の確立、集中排除、純粋言論の樹立、大規模メディア解体し中規模メディアへ・・・などを大々的に訴えたいのです。
総じて権力のない側の小メディアの強力関係を気付きたい。
詳細ははぶき、まずは基礎情報だけをお知らせします。ぜひ参加してください。このイベントでは多くの実行委員も募ります。
◇5・23第二言論サミット
~世界は周辺から変わる~
ネットメディア、ブロガー、街宣、ビラまき、ミニコミ・・・大集合
日時 2010年5月23日(日)
13;30開場14:00開演16:30終了
場所 東京ウイメンズプラザ・ホール
渋谷区神宮前5-53-67
☏03-5467-1711
交通 JR渋谷12分 地下鉄表参道7分
参加費 500円
※詳細は「草の実アカデミー」ブログに今後掲載する予定です。
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