世襲の平沼赳夫氏が新党結成?
世襲議員ゴールデン・リスト⑤
数週間前の『ウェークアップ』(読売テレビ系)で,、郵政選挙のときに自民党から無所属になった平沼赳夫議員がしゃべっていた。大阪のスタジオに彼は出演し、東京のスタジオにきた民主党の渡部恒三議員と話をしていた。「ああ、また世襲右翼お坊ちゃまが騒いでいるな」というのが、私の率直な感想だった。
まず、時事通信の配信記事を紹介しよう。
8月11日15時48分配信 時事通信≪平沼赳夫元経済産業相(無所属)は11日、都内の日本外国特派員協会で講演し、「衆院選後に政党をつくることを考えていきたい。われわれの17人のグループから必ず(政党要件となる)5人以上の当選を目指す」と述べ、保守系無所属の「平沼グループ」の候補者による新党結成を目指す考えを強調した≫
さて、保守系無所属の新党だが、まったく期待できない。もちろん、民主政治や自由民権の観点から見てのことだ。 『ウェークアップ』で平沼氏は、民主党の政策を批判。「日本が悪かったということを調べる機関を国立国会図書館に設置するのは許せない」「外国人の参政権に反対」というような趣旨を重ねて述べていた。 戦前からつづく国家主義思想に影響されている人物だと、つくづく思う。 ◇極右の平沼騏一郎元首相が養父 平沼赳夫氏の養父は、元首相の平沼騏一郎だ。この人物は、1938(昭和13)年に国家主義団体・国本社の会長であった。その国粋主義的思想により、軍部や右翼に人気があった。 すでに軍国主義、ファシズムが根をおろしていた当時でさえ、あまりにもの国粋主義ぶりに、支配層の一部にも拒絶感を持たれていた人物である。 そういうご先祖様の思想を受け継いでいるのが赳夫氏。彼のオフィシャルサイトにある「政策提言」には、本当に本来日本が有している歴史や伝統に根ざした価値観への再評価と新たな時代への対応を両軸に据えた、日本人の手になる日本のための自主憲法を制定しなければなりません」と鼻息が荒い。 ◇特権世襲議員が大輔な”我が国の伝統と歴史” ほんとうに特権世襲議員は、伝統と歴史が大好きである。伝統や歴史は大切だよな、などと単純に思わないでほしい。 彼らの主張する”伝統”と庶民の伝統はまったく別のものと認識すべきだろう。はっきり言う。彼らと彼らの父・祖父ら特権支配層にとっての伝統なのだ。まがりなりにも民主政治になり、言論思想の自由が一応ある現在の日本では、彼らが好き放題にできない。 その苛立ちから、かつて支配層が勝手きまま、自由にしていられた旧体制=アンシャンレジームが懐かしいのだろうか。例にあげたテレビ番組における発言「日本が悪いことをしたということを調べる機関を・・・・・・」は、「自分たちの先祖が起こした悪いことを調べる機関を・・・」の間違いだろう。 外国を蹂躙し、国内でも民衆を弾圧して国を破滅に追いやった世襲議員の父・祖父たち。彼らの多くは、一時公職を追放されたものの、たいていが追放解除で復権している。 これ自体が許し難いことだが、ほとんどブラックっジョークに近いのは、彼らの息子たちが世襲して議員のイスに座っていることである。それだけなら、まだいい。あるいは民主化された新生日本のために身を投げ出すような仕事をする議員ならば・・・。 ところが、ほとんどの世襲議員の言動を見ていて真摯な反省はない。当然のことながら、平沼氏をはじめとする”彼ら”には、基本的人権を尊重し、あらゆる手段で平和な世の中にし、貧困を大幅に解消し、言論表現の自由をまもって、民主主義ニッポンをつくるという気概が、私にはまったく感じられない。 (もちろん、平沼氏だけではないが)こういう世襲議員らに、いま苦しい生活を強いられている、派遣労働者、バイト、パート、母子家庭、障害者のためになる政治など、期待する方が無理というものではないか。 総選挙の結果いかんでは、「平沼新党」がイニシアチブをとらないとも限らない。ひょっとしたらマスコミは騒ぐかもしれないが、決して騙されないようにしよう。
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