石原のぶてる氏と杉並区
「世襲議員ゴールデン・リスト」⑥
昨日(2009年8月22日)の朝、読売テレビ系の『ウェークアップ』に、世襲議員の(正確には前議員の)石原のぶてる氏が出演していた。各党の論客が出演し話するなかで、子供手当の類を直接支給することに対して「いい人もいるが、パチンコにつかってしまう人もいるかもしれない」という石原氏のひとことが、妙に頭にこびりついて今でも離れない。
これは、子育て支援に関する民主党の政策に対しての発言jだ。この件に限らず、支援は直接国民や家庭に、というのが民主党の基本的な考えだからだ。
石原氏によると、家庭に直接お金を与えて、それをきちんと子育てにつかってくれればいいが、なかにはパチンコにつかってしまう人もいるかもしれない・・。だから直接支援に懐疑的だというのである。
「パチンコ」という言葉がなぜ出てくるかわからなかった。私も子育てしている人間のひとりだが、もちろん金が入れば子育てと教育に当てパチンコにはつかわない(苦笑)。
ほかの子育て世代の人は、石原さんの「パチンコ」をどう感じたのか。
◆石原と保坂が隣り合わせ
子育て支援の話をしていてパチンコが出てくるのはへんだと思うのだが、考えてみれば、世襲議員にとって、子育て支援は全く関係ない話だからなんだと思う。
で、なぜこの『ウェークアップ』を取り上げたかたというと、いままさに東京の杉並区の選挙区で争っている、社民党の保坂展人(民主・国民推薦)が、石原氏のとなりに座っていたので、笑ってしまったからだ。
司会者が日本を悪くしたのは何かという趣旨の質問をし、世襲の石原候補の隣に座る保坂候補が「世襲政治」(世襲制度だったかもしれない)とボードに書いてテレビカメラの前にかざしたのだ。これには、本当に私は声を出して笑ってしまった。
◆東京・杉並選挙区は関ヶ原
お二人が立候補している東京都の杉並区は、まさに関ヶ原と化している。石原氏は古い自民党の世襲。いわば旧体制アンシャン・レジームのシンボル。対する保坂氏は、民主党と国民新党の推薦を受けているとは言え社民党の候補であり、真っ向対立する出自だ。
そればかりではない。杉並区といえば、小林多喜二が殺されたときに住んでいた場所だし、荻窪・西荻窪あたりは、ちょっとした文士村だった。
戦後は原水爆禁止運動の発祥の地となり、公害反対運動の拠点でもあった。また60年代後半から70年代にかけて、杉並区を中心とする中央線沿線は、社会党・共産党が与党の「革新自治体」が席巻し、革新ベルト地帯といわれた。
高円寺では、いまではプレカリアートの運動も起きている。つまり、杉並区は戦前の分士村から始まって、戦後民主運動や平和運動、自由民権運動の一大拠点なのである。
ここに国権主義勢力が攻勢をかけているという感じだ。たとえば、杉並区議が田母神俊雄氏の”応援団長”となり、杉並区内で後援会を開いている。そして松下政経塾出身の山田宏区長のもと、「つくる会」の教科書を採択した。
その土地で保坂VS石原なのだから注目せざるをえない。まったく関ヶ原だ。
上の本を参考に8月30日の選挙特番を見ると面白いかもしれません
◆お知らせ
場所:文京区民センター (地下鉄春日駅、後楽園駅下車)
主催:小選挙区制廃止をめざす連絡会
。
| 固定リンク
最近のコメント