日本を滅ぼす世襲政治と小選挙区制
このほど「世襲政治を考える会」の世話人として、表題のように『世襲議員 ゴールデン・リスト』(データハウス)という本をつくった。この本は、プロ野球選手名鑑ならぬ世襲議員(衆議員のみ)名鑑なので、内容を掘り下げたわけでわない。そこで、本をつくりつつ発見したこと、驚いたこと、怒ったこと、あきれたことなどを率直に、何回かにわけて書きとめておきたいと思う。
◇1990年代前半に政治家の質が変化しはじめた。
世襲議員の父や祖父の略歴を調べ始めると、懐かしい名前や顔が出てきた。つまり、私が多少なりとも政治に関心を持ち始めた1980年ごろ(私が二十歳のとき)に現役だった政治家たちである。
私の視点からすると、彼らは嫌いな政治家・国会議員である。しかし、名前や写真をみて思い出すと、それなりに迫力と魅力があることに気づいた。ほとんどは大したことはないが、それでも”いい感じ”に思えてしまったのである。それは、彼らの息子や孫がいかにヒドイかの裏返しだろう。
◇小選挙区制度が世襲に拍車
さて、1990年前半といえば、猫も杓子も「政治改革」せいじかいかく・・・と叫んでおり、その目玉は「小選挙区制の導入」だった。細川総理も熱心だった。小沢一郎氏も小選挙区による二大政党制を推進してきた。旧世代の引退と小選挙区導入でひとつの選挙区に一人しか当選できないようになってしまった。
小選挙区制度のもとに総選挙が行われたのは1996年が最初である。これで国会の反体制勢力(社民党や共産党など)が壊滅状態になり、自民党と民主党とう保守二大政党がはばを利かす。
それ以降、急激に戦後民主主義的政策、自由民権が後退し、格差社会、貧困社会が増大し、戦前的体制=アンシャンレジーム志向が強まっている。あぶない国になりかかっている。これと並行して小選挙区で当選しやすい世襲議員が跋扈することになった。
◇世襲議員と小選挙区制が日本を滅ぼす
いま、あぶない国になりかかっていると書いたが、それは自民党世襲お坊ちゃま右翼議員らによって政治が捻じ曲げられた結果だ。わかりやすく言うと、安陪晋三元総理のような政策を進めれば、日本は分断され、外国から不審の目で見られ、民益も国益も損なわれる。精神性も低下する。
嘘だと思うなら、じっと見ていてください。日本を滅ぼすにはミサイルなんかより、世襲議員の横暴を放置し、彼らを支える小選挙区二大政党政治をそのまま残しておくことだ。本当に滅びるから・・。
いずれにしても、世襲議員だけ、小選挙区制だけを批判するのでなく、この二つを結びつけて考えることが2009年現在、最も重要だということである。
◇世襲政治廃止と小選挙区制廃止で日本は甦る
いま私が声を大にしたいことは、上記に尽きる。全人民の怒りを爆発させて世襲政治打破、小選挙区二大政党制打破を目指すべきだ。今回『世襲議員ゴールデン・リスト』(データハウス)を書いていて、日本はごく少数の特権階級に支配されており、民主主義や主権在民など嘘っぱちだと、はっきり認識した。同時にいままでモヤモヤしていた気持ちもふっきれた。
次回からは、具体的に気づいたことや感想などを書き記してみたいと思う。
(つづく)
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