3月8日 麻生内閣打倒デモと街頭デモクラシー
3月8日、午後2時から「麻生を倒せ! ないかくだとう実行委員会」主催の集会とデモが新宿の大久保公園で行われる。このような行動に対しては、「どうせもうすぐ倒れるんだからデモなんて無駄」、とかデモをやること自体への批判、「発想が単純すぎる」・・などの批判もあるようだ。しかし、私は「街頭デモクラシー」を推進するためには、このデモにかかわらず、街頭デモは重要だと考えている。
◇4年間で一日だけの民主主義
放っておいても麻生政権は倒れそうだ。そして、今年中に民主党を中心とする新政権が樹立される可能性は高い。では、そのままにしていいいのだろうか。
確かに総選挙で決着つけるのは大切だ。しかし、思いだすのは、かつてインタビューした亀井静香国民新党代表代行の言葉だ。郵政解散で自民党・公明党が圧勝し、つぎつぎに国会で強行採決していたころのインタビューだ。そのとき彼は、およそ次のように語った。
「選挙で多数派をとった党派が、反対意見をすべて無視していれば、選挙の日一日だけが民主主義で、あとは独裁になってしまう」。解散などがない限り、4年に一度しか総選挙はない。とすれば、4年間でたった一日だけ民主主義が許されて、あとは独裁的な政治が営まれることになってしまう。
さらに、仮に選挙だけで民主党が政権を取っても、政権が長期化すれば、自民党と同じように、民衆(国民・市民・有権者・納税者・住民)の言うことを聞かなくなる。一般庶民の運動でダメな政権を倒す実例をつくらなければ、いつまでたっても日本に民主主義(主権在民)は根付かない。
◇街頭デモクラシー百面相
つまり、民主主義が一番輝くのはデモではないかと思うのだ。もちろん、そればかりじゃないが。そこで私は、2006年に入ってから、さまざまなデモやパフォーマンスを取材するようになった。
意識としては、「街頭デモクラシー百面相」を撮影し、写真・映像・文字で記録することである。政治的メッセージや宣伝の意義もあるが、表現そのものが政治アートのようになっているのが面白い。
それに、見ていて楽しいものがけっこうある。
◇12月14日午前4時本所松坂町
3月8日に予定されているデモには、インターネットで誹謗中傷などもあるようだ。麻生や自民党を支持する人、あるいは警察が大好きな人などが、行動を始めた人たちに反発するのだ。いつの時代もパイオニアや行動者はたたかれる。
あまり政治的なことをしない人の中にも、政権打倒デモを揶揄したり、冷やかになっている人たちがいる。そう、冷笑的なのである。斜に構えて物事を見、ビールを飲みながらリング上で闘う格闘家たちに対して、にわか評論家になって、あれこれ言っている。
だったら、お前がリングに上がって見ろよ。とは、だいぶ前に『文筆生活の現場』(中公ラクレ新書)に書いた。
しかし、麻生政権に批判的な人たちやリベラル派・左翼の一部からも、揶揄したり疑問の声も出されている。その内容は正しいことも多いし、なるほどと思う。ご説ごもっとも。だが、どうして理屈や細かなこと(最新の注意を払うという意味ではない)が多いのだろう。手を握り、「一緒にやろうぜ」と一言いえないひとが多い。
たとえ論理的に正しく、内容も正しいことを言っても、つまるところ、12月14日午前4時に本所松坂町に結集できなければ、むなしい。
ここまで日本をひどくした原因のひとつは、”低いレベルのニヒリズム”。哲学としてのニヒリズムは、わかる部分もある。しかしここでい言うのは、単純に冷めた目で他人を批評しているだけで、自分自身で立たないことを是とする風潮や考えを指す。
その風潮を打破する意味でも、街頭デモをやる意義は大きい。
ただし、軽いノリの揶揄やジョークは大切だけどね。
3月8日2時 麻生内閣打倒デモ情報はこちら
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