秋葉原通り魔事件と格差社会とTVコメンテーター
昨日(08年6月12日)のテレビ朝日ワイドショー「スーパーモーニング」を見ていて、究極のKYはマスコミと”識者”ではないかと思った。秋葉原通り魔殺人事件が話題になっっていたが、背景にある派遣労働について話がおよんだときのこと。派遣労働を擁護するコメンテーターが二人いたことである。
確かに、事件の背景として膨大な数の不安定な派遣労働者の問題はある。それにたいして大学教授は、「派遣をなくしてしまえば、企業側がなりたたなくなるし、時間を区切って働きたい女性などは困るから、すぐになくせというのは正しくない」という意味のことを話した。
つづいて若い弁護士が、「派遣労働を拡大したことで景気が回復した面はいなめない」というような趣旨の発言をした。
この二人の発言やものの見方を前にして、「ああ、ダメだこれは・・」と思った。景気が回復している? もちろんこの発言は、派遣労働が大幅に拡大され始めた1990年代後半から現在にいたるまでの幅広い範囲を想定してのことだろう。
しかし、もう一回書く。「景気が回復したんですか? 景気ってなんですか?」
怒りを通り越して笑ってしまった。つまり、大企業と好調な業界の「数字」がよくなっているにすぎない。またマクロ的にみて数字がよくなった側面があるからといって、貧困層が拡大しているなかで、よくもまあ「景気が回復している」などと言えたものだ。
◇究極のKYはマスコミと”識者”ではにのか。
マスコミ(とくにテレビ局jの正社員)とテレビ文化人(識者)こそ、庶民のことがわかっていないのではないだろうか。感覚的に体でわかっていないという気がする。
それは、そうであろう。テレビ局社員の給料は年収1800万円とか1500万円とか、中小企業のサラリーマン、派遣労働者から見れば、別世界だ。大手出版社や新聞社も同様である。
またテレビコメンテータのギャラも高い。どういう人がいくらかということを、ある程度私は知ってるが、ここでは書けない。たとえば私が、10分ほどスタジオでしゃべっても5万円。一日仕事だったら10万円。派遣労働者や文筆業を考えれば、破格に高い。
さらに言えるのは、弁護士などのギャラはもっと高い。大学教授や弁護士は一般人より高い収入がある。それに加えてレギュラーTV出演、講演、書籍などがあるから、相当な高額所得者だ。相当な人格と自省力、自己制御力がないと世の中が見えにくくなるだろう。
熱い夏に、120円のジュースを買おうか買うまいか迷う人のことなど彼らに理解するのは難しかもしれない。だから派遣労働の拡大は悪くないとか、批判的に物事がみれなくなるのである。
究極のKYは、やはりマスコミとテレビ文化人ではないだろうか。そういう彼らが公務員バッシングしているのを、私は鼻で嗤っている。
ひとこと断わっておきたいが、私はKYそのものが悪いとは思わない。ときに周囲の空気を無視し、自分の考えや行動を推し進めることも重要で、私はKY同盟というのをつくりたいくだいだ。
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