映画『靖国』を観た
ドキュメンタリー映画『靖国』を観た。なかなかの出来栄えだと私は思った。知らなかったことも多かったし、ナレーションの入らない記録映画というのは、或る意味迫力がある。それにしてもこの映画上映までのプロセスはなっとくがいかなかった。
◇卑怯な自民党議員
そもそもこの映画が話題になったのは、自民党の稲田朋美衆院議員が”事前検閲”を要求したのが始まりだった。その後、有村治子参院議員(自民)らによる政治介入で予定どおりに上映ができなくなった。
ここで言いたいのは、自民党二人の議員が卑怯だということである。国権の最高機関の構成メンバーであり、なおかつ政権党の議員なのだから、自分たちに力があることを百も承知なのである。
それでいて騒ぎが大きくなると、公開中止はよくない、言論表現活動を尊重しなければいかない、というような趣旨の発言だ。そして悪いのは、さわいだ右翼だといわんばかりである。いくらなんでも、火をつけた自分たちは逃げて、火をみて現場にかけつけた右翼活動家らを一方的な悪にしているのはおかしい。
一方、右翼活動家らは新宿のライブハウスで『靖国』上映会と討論会を開催した。この点に関しては、彼らの行動のほうが説得力がある。私は彼ら考えとは違いむしろ反対だが、すくなくとも話題の焦点となっている作品を観て、批評・批判しする権利はあると思う。
◇新人議員を指導できない自民党
稲田朋美衆院議員・有村治子参院議員のような若手議員に対し、自民党の重鎮はたしなめたり指導したりすることはないのだろうか。
同じような疑問は、佐藤正久自民参議院議員の言動をみていて思った。イラク派遣隊長だったときに謀略をはかろうと考えていたことをテレビインタビューで披露し、日本の法律で裁かれるなら喜んで裁かれてやろうと思った、と戦争でなくなった多くの犠牲者と戦後復興のために血と汗を流してできあがった民主体制を冒とくした。とくに戦争で非業の死を遂げたひとに対する配慮が欠如している。
このような発言をする新人議員に対し、自民党の重鎮なり先輩がたしなめているのだろうか。処分を下したのだろうか。謹慎処分くらいしないのか、と考えたときに、もういっちゃってるなと私は思った。つまり、自民党の若手のバカ発言や行動を制止できないということは、「自民党幕藩体制」もそろそろ崩壊するなと妙に納得し、うれしくなってくる。
話題がそれてしまったが、ドキュメンタリー映画『靖国』は観たほうがいいと思う。靖国神社の抱える問題は根が深い。
映画「靖国」公式サイト
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