増田防衛事務次官「記憶にない」公開質問状
2月28日、参議院議員会館で「文民統制違反」抗議集会を開催し、社民党福島みずほ党首や共産党参院国対委員長らも出席し、衝突事故、自衛隊海外派兵、憲法9条審査会の状況などについての報告も聴いた。
上記集会の決議として、恒久法の制定を準備している自民党・公明党党に公開質問状をだすことになった。あわせて、衝突事故直後に航海長をヘリコプターで防衛省に呼び寄せて事情聴取した際の状況について「記憶がない」と答ええている増田好平防衛事務次官にも公開質問状を出すことになった。
動画 http://jp.youtube.com/watch?v=ntTwVnp0-DI
緊急呼びかけ文
私たちは、平和を愛する市民有志です。今回のイージス艦あたごの事故における情報隠蔽は自衛隊がシビリアンコントロールを無視する体質を持っているということが明確になった象徴的な出来事といえ、放置してはならないと考えています。そこで、下記のような質問状を提出したうえで、増田事務次官に対する懲戒申立を行いたいと考えております。ご賛同いただける方は、次の事項をお書きの上、masudachoukai@yahoo.co.jpまでメールしてください。第一次締め切りは3月3日午前10時でお願いします。それ以降も、賛同いただける方はぜひお願いします。
住所:
氏名:
肩書:
インターネット上での氏名肩書きの公開の可否:
一言:
呼びかけ人
弁護士 中山武敏
同 児玉勇二
ジャーナリスト林克明
弁護士 杉浦ひとみ
同 日隅一雄
同 田場暁生
緊急公開質問状
2008年3月3日
石破茂防衛大臣殿
市民有志一同(末尾名簿添付)
イージス艦あたごの漁船衝突事故は、事故そのものの重大性のみならず、自衛隊による情報隠しという市民にとっては重大な関心を抱かざるを得ない事態を招いてしまいました。特に、事故直後に、吉川栄治海上幕僚長が、当直士官であった航海長をヘリコプターで防衛省に呼び寄せて事情を聴取したこと、その事実が明らかにされないまま事態が進行したことは非常に問題があると考えております。
そこで、この件について、次のとおり質問します。
増田好平防衛事務次官は、2月27日、記者会見において、事故直後に貴殿を含む約10名が航海長から事情聴取をした際の状況について、以下のようなやりとりがなされています(http://www.mod.go.jp/j/kisha/2008/02/j_27.html)。
◆◆記者会見からの引用開始◆◆
Q: でも今までのご説明だと、航海長の話したことで記憶に残っていることもなく、表情しか覚えてない。いくつか質問があったけどそれも覚えてない。ただ、口裏合わせがなかったことだけは間違いないですね。それは説得力に欠けないですか。
A: そういうご指摘はやむを得ないかなと思います。私の記憶を正直に話をしていて、そういうことが説得力がないと思われるのであれば、私の不徳の致すところと言いますか、能力がないということかなと思います。
◆◆記者会見からの引用終了◆◆
上記やりとりからは、増田次官が虚偽を述べているとしか思えません。もし、真実を述べているのであれば、重要な事情聴取について記憶することもできない能力不足者ということになり、ただちに、増田氏を次官職から解任するべきだと思われます。
自衛隊法は第58条で、「隊員は、常に品位を重んじ、いやしくも隊員としての信用を傷つけ、又は自衛隊の威信を損するような行為をしてはならない。」と定めています。
増田次官の発言が虚偽だとすれば、この規律に違反していることになります。そして、自衛隊員の規律違反については、「何人も、隊員に規律違反の疑があると認めるときは、その隊員の官職、氏名及び規律違反の事実を記載した申立書に証拠を添えて懲戒権者に申立をすることができる」ことになっています(自衛隊法施行規則第68条)。
私たちは、この懲戒申立を検討中ですが、貴殿から、下記質問について、真摯なご回答をいただけるのであれば、懲戒申立をすることは差し控えたいと思います。ご回答については、3月10日までに弁護士日隅一雄(東京共同法律事務所)に届くようお願いいたします。
記
1 増田次官が上記記者会見において、事故直後に貴殿を交えて行った事情聴取の内容について、増田次官に記憶がないのは事実ですか。もし、事実だとすれば、増田次官は記憶する能力が一般通常人よりもを劣っているのですか?
2 増田次官に記憶がないのが事実ではないとした場合、なぜ、増田次官は記憶がないと答えたのでしょうか?また、記憶にあった事実とはいかなるものなのでしょうか?
3 貴殿は、増田次官が上記記者会見で記憶がないとの発言をしたことについて、何らかの処分を行われる予定ですか?処分を行う場合、処分を行う期日はいつになりますか?処分を行わない場合、行わない理由は何でしょうか?自衛隊法42条3項及び同法46条2項をもご考慮の上、その理由をご回答ください。
以上の質問について、貴殿のご回答をお待ちしております。もし、真摯なご回答のない場合には、増田次官に対する懲戒申立を行うこととなりますので、あしからずご了承ください。
本件についてのご回答及び問い合わせは、弁護士日隅一雄までお願いいたします。
以 上
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