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2008年2月14日 (木)

佐藤正久(元イラク先遣隊長)の闇を照らす

行動するための講演&シンポジウム

佐藤正久(元イラク先遣隊長)の闇を照らす

2月17日(日)1:30~4:30

神宮前穏田区民会館渋谷区神宮前6-31-5 JR原宿駅6分

http://maps.google.co.jp/(地図)

2月17日(日)に行われる集会「元イラク先遣隊長・佐藤正久の闇」の準備をしているのですが、このところ何度も繰り返し、10年以上も前のある夜を思い起こされてしかたがありません。

◆ある夜の葛藤

あれは1995年10月2日のことだったと思います。私はそのとき、ロシア連邦南部のチェチェン共和国の首都にいました。

当時、ロシアからの独立を宣言したチェチェンにロシア軍が侵攻して大殺戮を繰り広げていました。大爆撃と地上戦で破壊され全市が停電していたので、泊めてもらった民家はロウソクの灯りしかありませんでした。食べ物もなく、空腹だったのを覚えています。

ロウソクの炎を眺めながら、私は、ある村へ行こうか行くまいか迷いに迷ってっていました。

その二日前の9月30日、私がチェチェンを訪れるたびに世話になっていたセルノボツク村が、ロシア軍の大軍に包囲されたのです。それまでのロシア軍が、非武装の村人を情け容赦なく殺しているのを見てきました。そのような大量虐殺で、当時すでに人口の10%近くが殺され食料もないというのに、村人は私に食べ物と寝床を与え、惜しみない協力をしてくれました。セルノボツク村は、私の第二の故郷のように感じていました。

もしロシア軍が村に入れば、大殺戮が行われる可能性が高い。このときの状況は、隣村で95年4月に起きた虐殺事件(民間人300人が殺害)直前に非常に似通っていました。本来なら、その村から一旦遠ざからなければなりません。しかし、自分たちが戦争で追い詰められているというのに、村人たちは、見ず知らずの外国人である私を受け入れてくれた村人たち。彼らの協力なしには、私がジャーナリストとして働くどころか、生命さえ危なかったでしょう。その彼らを見捨てていいのか。

そこに行ったからといって、私の使命がどれだけ果たせるかわからない。しかし、いちばん苦しく危険なときこそ一緒にいたい。そうはいっても、いったんは引いたほうがいいのではないか・・。迷いながらロウソクの炎を見ていたこと覚えています。そして、決断するまでの苦しさは、今でも生なましく思い起こされます。

翌日の午後、私はセルノボツク村に向けて旅立ちました。

◇今度は日本が危ない

 あのときは、“第二の故郷”がロシア軍の軍靴に荒らされるという切羽詰まった強い思いがありました。10年以上も前の気持ちを思い出したのは、ほかでもない、正真正銘の“第一の故郷”=日本が危ないと感じたからにほかなりません。

 私は、頭は悪いですが、「カン」は悪くないと自己分析しています。「あっ、これはまずい」と感じる能力はあります。では、誰が私の故郷=祖国を脅かすのか。最近では、元イラク先遣隊長の佐藤正久氏をみていて、この状況はやばいな、と思っています。

 彼とその背後にいる勢力のことをほんの少し知っただけでも、戦前戦中の軍部を肯定し、彼らとあまり変わりない考えの人びとがいることがわかってきました。彼らの意図を達成させてしまえば、日本市民にとって重大事態を引き起こす。そう確信しています。

 このようなことを考えていたから、12年以上前の「迷いと決断の夜」を思い出したのだと思います。ここ一か月ほど、あのときの感覚がまとわりついて離れないのです。

 何とかしなければ、と2月17日に集会を開きます。以下は呼び掛け文のようなものです。「闇を照らす」などとタイトルをつけていますが、そう簡単に照らすことはできないとは思いますが、始めの一歩にはなります。

◆2月17日「佐藤正久の闇を照らす」集会に向けて

イラクのサマーワに駐留していた自衛隊の責任者・佐藤正久氏は、近くにいたオランダ軍の警護にかこつけて「敢えて巻き込まれる」かたちで、武器使用すなわち戦闘状態をつくろうと考えていた。

平たく言えば、わざと戦争を起こそうという考えだ。中央から離れた武装組織の暴走&謀略という観点から、関東軍に引き起こされた柳条湖事件(満州事変の発端)を思い出させる重大な発言だ。

また「喜んで日本の法律で裁かれようと思った」と発言した。何を、何のために「喜ぶ」のか。有権者・文民・法治主義にケンカを売っている。法治主義を否定する人物が立法府に入ったのだ。

「喜んで」という一言がなければ、私は今回のような集会を開かなかった思う。それほど重い一言だ。

この発言に対して弁護士グループらが、公開質問状を送ったが、佐藤氏は答えていない。

参院選で当選後の佐藤議員の言動をみると、現職幹部自衛官が議員バッジを付けているように見える。自衛隊制服組(軍人)による国会支配強化、直接政治に介入するための橋頭保の役割を担っているのだろうか。

実際、佐藤氏は国民や有権者の代表ではなく「自衛隊の代表」とホームページで書いている。まことに正直な人である。

いま、国民・市民の知らないところで、自衛隊幹部らは、ちょっと「危ない発言」をし始めている・・・。少なくとも先の佐藤発言の実態を解明し、けじめをつけておかないと、後で大変なことになりますよ。

■2008年2月17日(日)午後1時30分開始 午後4時30分終了

■神宮前穏田区民会館1階(渋谷区神宮前6-31-5 JR原宿駅6分、地下鉄神宮前駅2分、明治通りと表参道交差点近く)

http://maps.google.co.jp/(地図)

「草の実アカデミー」主催(同団体の第一回イベント)

■集会内容

○草の実アカデミーについて

○「いまなぜ佐藤正久なのか」(林克明 ジャーナリスト)

○シンポジウム+討論+質問 ○行動提起

 なお、今回の主催者である「草の実アカデミー」は、上田哲氏のミニコミ『百万の声』の購読者によってつくられたグループ。「政・官・財・報・軍による総権力体制=(野党勢力反対勢力がない)が進む中、これはおかしい、これは言っておきたいという庶民の怒り・言い分をはっきり示し、行動を起こすきっかけとなるセミナーを開催する」。これが、このグループ創立の目的である。今回は、その第一回のイベントとなる。

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