護憲派の”半勝利”
今回の参議院選挙当選者の55.7%が憲法9条改憲に反対であることが共同通信社の調査で明らかになった。年金や閣僚の失言、政治とカネが焦点だとされてきた。しかし、安倍総理の改憲路線に有権者がノーを示したとも言えるのではないか。
◇安倍の強権・軍国政治に不安
テレビも新聞も、そして自民党も民主党も、今回の選挙結果(民主勝利・自民敗北)は、国民年金問題・閣僚の暴言・政治とカネであると宣伝している。
間違いではないが、根本的には安倍首相の改憲路線・美しい国づくり・戦後レジームの見直し・・に対するうさんくささや不安を感じた人が民主党に票を入れたとかんがえられなくもない。
なにしろ、戦後レジームの否定は、戦後民主体制の崩壊を目指すもの。安倍首相の主張していることやあまたの中身は、ネオナチと大して変わりないと私は思う。
しかし、識者と言われるひとはほとんど御用文化人、テレビと大新聞も基本的には政権甘いから厳しい批判とわかりやすい解説を避けてきた。そのため、多くの人々は安倍政権の本質を明確かつ論理的に把握できないが、その暴走ぶりをみて漠然とした不安を感じていた。
◇社民・共産へ行くべき票の多くが民主へ
一昔前なら、こういう超国家主義路線を目指す空気に不安を感じる人々は、社民党や共産党に入れていた。しかし、諸悪の根元=小選挙区制と二大政党制に流れているために、多くの有権者が民主党に投票したと考えられる。
私のまわりにも、民主党はひどいが現行制度ではしかたないと同党へ投票した人がかなりいる。
したがって、今回の民主党勝利の一因として、安倍強権国家主義と改憲路線に不安を感じる人の思いがあることは確実だ。その比率がどれだけあるかわからない。
それにしても、自民党を含む当選者のうち55.7パーセントが9条改憲に否定的という事実は、これまでの右傾化の流れからすると大きな変化ではないだろうか。
ということは、日本にとっても自民党にとっても民主党にとっても、今度の国会で焦点になる「テロ対策特措法」の扱いが極めて重要になってくる。とくに民主党にとっては・・。扱いを間違えると、せっかくの参院選勝利が台無しになるだろう。
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