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2007年7月15日 (日)

投票のポイント① 自衛隊の国民監視活動

 参院選の最大の焦点は、年金問題である。きわめて重大なことだから、それは当たり前である。しかし、私個人としては、別のテーマが気にかかるので、何回かにわけて書いておきたいと思う。その第一は、自衛隊情報保全隊(憲兵隊)が、市民に対してスパイ活動を行い、写真撮影・氏名住所の割り出し・発言内容をまとめた文書を作成し、きたるべき弾圧に備えていることだ。

◇軍部の暴走

 文民統制をくずし、軍部が暴走しているひとつの例であろう。防衛庁から省に昇格し、この軍事組織の権限が大幅に拡大しているなかでの事件発覚である。

 文民統制とは、文民(政治)によって軍事を統制することのみならず、民主主義によって統制すると考えるべきだろう。イラク反戦、自衛隊のイラク反対・イラクの子どもたち写真展・仏教団体・キリスト教団体・年金問題い関する団体・医療費負担に反対するグループ・・・・。

 あまりに監視対象の幅は広い。いまなら、5000万件の記録が消滅した国民年金に関して抗議したり活動している人を監視しているのであろう。

◇今もつづく監視活動に反省なし

 なぜなら、発覚した内部文書はイラク戦争開始の頃のことだが、陸上自衛隊・海上自衛隊・航空自衛隊すべてが、いま現在も国民の監視活動を続けていると辞任した久間前防衛大臣は言っている。

 また、これだけのプライバシー暴露・人権侵害をしても居直り続けている。そもそも、国民監視活動は人権侵害であるという自覚が幹部自衛官にないのが恐ろしい。各紙に「悪くない。どこが悪いのか」と匿名でコメントしている。

 これでは、どんどんエスカレートするだろう。

◇自民党による自民党のための自民防衛隊

 最近の自衛隊活動を見ていると、このように考えざるを得ない。もうひとつ付け加えれば、アメリカの傀儡政権によるアメリカのための米国防衛隊とでも言おうか。 

 1981年の防衛白書に、「自衛隊は何を守るのか」がはじめて明記された。第二次大戦後初めてのことだ。それによると、自衛隊が守るものとは「国家体制」である。この四文字がはっきりと刻まれているのだ。つまり、守るのは人民・市民・士民・国民ではなく、国家体制という統治機構なのだ。

 このように政府の意思は明白である。したがって憲兵隊の人たちは、はっきり言って、政府や自衛隊に批判的な見解をもつ市民を敵だと思っている。

 自衛隊の中には、まじめに国民を守ろうと思っていたり、社会貢献のためにがんばろうという人もいる。実際に存在する。そういう人は、戦前戦中の憲兵隊のように自衛隊が一般人を監視することを本当に支持しているのだろうか。私は疑問だ。

◇国政調査権で追求する候補を支持

 このような深刻な問題にふたをしてはならない。国会には国政調査権というものがある。特別委員会を設けたり、参考人をまねくなど、徹底的に調査してもらいたい。それによって厳重な処罰も必要だ。

 こういうことを主張し、当選したら実行してくれる候補者がいれば、私はその人に投票したい。

 自衛隊のスパイ活動が危険であるという認識がない候補者は、民主主義社会においては、それだけで失格である。

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