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2006年9月 9日 (土)

斎藤隆夫かく戦えり

 8月15日の前後、『斎藤隆夫かく戦えり』(草柳大蔵著 文芸春秋社)を読んだ。

 斎藤隆夫(1870~1949)は、日本議会史を語る上で欠かせない大政治家である。斎藤は、三度にわたる衆議院における鋭い演説で、日本の歴史に刻まれた。彼の演説は、「粛軍演説」と呼ばれる。

1、昭和11(1936)年5月7日 粛軍に関する演説

  軍部のクーデター2.26事件後の国会で、昭和7(1932)の5.15事件にまでさかのぼって、軍部暴走、軍部の政治化を鋭く批判した。

2、昭和13年(1938)年2月24日 国家総動員法批判演説

3、昭和15(1940)年2月2日 支那事変に関する演説

 支那事変(日中戦争)の指導混迷を批判したこの演説で議会を除名された。

 先にあげた著書の巻末には、斎藤の演説が掲載されているが、これを読むと斎藤という男の勇気と政党人としての気概がひしひしと伝わってくる。よくあのファシズムの時代にこれだけの言論を展開できたものだ。

 この演説を、自民党議員諸君に読んでいただきたい。安倍晋三という極右政治家に群がり、勝ち馬に乗って政治家としての気概を示さない自民党国会議員。まともな神経を持っている人間ならば、斎藤の演説を読んで、「穴があったら入りたい」と恥じ入るはずだ。しかし、彼らには恥の概念すらないだろう。

 一穏健保守政治家がよく頑張った。その事実を知ったとき、このような穏健で中庸と議会主義を重んじる保守勢力と、リベラルから左翼までが団結する必要性をつくづく感じた。

 いまの国会勢力なら、国民新党から共産党までが反軍国主義・反安倍晋三で協力しなければならない。

 河野洋平氏や加藤紘一氏のような人もいるとはいえ、小泉政権誕生以降は独裁政党と化している自民党は仲間に入れられない。これは打倒するしかないのである。

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